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出願前に特許図面の適合性を確認する方法
2026/05/05

出願前に特許図面の適合性を確認する方法

特許図面の出願前適合性チェックの実践ガイド:用紙、線、符号、図面、形式、書き出しについて。USPTO、EPO、PCT、CNIPA、JPO、KIPO各庁固有の留意点。

要点(TL;DR): 形式的な指摘のほぼすべては用紙・線・符号・図面・形式・内容の6カテゴリに分類でき、A4(210 × 297 mm)、PCT余白(上2.5・左2.5・右1.5・下1.0 cm)、ラスター最低300 DPI(推奨600)、符号高さ0.32 cm(1/8インチ)が基本ラインです。まず低コストな用紙・形式チェックを済ませ、その後に参照符号の一貫性などの構造チェックに進みましょう。最後に白黒レーザープリンターで100%スケール印刷し、1メートル離れて眺めるのが最も安価な出願前テストです。自動チェックは図面チェッカーへ。

特許図面の拒絶においてコストがかかるのは、書き直しそのものではありません。応答のサイクルです。管理されているファイルを特許庁から引き戻し、イラストレーターに変更内容を指示し、弁理士の承認を得て、応答期間内に再提出するというプロセスです。出願前に簡単な余白チェックを行うだけで、出願後の数週間にわたる応答サイクルを防ぐことができます。

出願前チェックは、Figure Checkerがまさにそのために開発された機能です。書き出しを行う前に、すべての図面で実行してください。

特許図面の適合性チェック

重要な6つのカテゴリ

形式的な指摘(objection)のほぼすべては、これら6つのカテゴリのいずれかに分類されます。具体的なルールを確認する前に、これらのカテゴリと実行順序を覚えておきましょう。

  1. 用紙(Sheet) — 用紙サイズ、方向、余白、枚数番号
  2. 線(Lines) — 線幅、色、均一性、密度、ハッチング(陰影)の規則
  3. 符号(Numerals) — 参照符号の一貫性、高さ、フォント、引出線の配置
  4. 図面(Views) — 図面ラベル、断面図の規律、分解図の慣習、投影図の規則
  5. 形式(Formats) — ファイル形式(PDF, TIFF, SVG)、DPI、埋め込みフォント、カラープロファイル
  6. 内容(Content) — 不要な事項(ロゴ、ウォーターマーク、装飾枠)、クレームの裏付け、破線の使用

「安価な」カテゴリ(用紙、形式)はチェックにコストがかからず、最も件数の多い拒絶を未然に防ぎます。「高価な」カテゴリ(符号、内容)は時間がかかりますが、Office Actionへの応答を遅らせるような拒絶を未然に防ぎます。まずは安価なものから実行しましょう。

書き出し前の12ステップ・チェック

以下は、提出前に推奨される手順です。6つのカテゴリをコストの低い順に網羅しています。

用紙のチェック(2分)

  1. ページサイズ。 デフォルトは A4 (210 × 297 mm) です。Letter (8.5 × 11 in) は、PCTや外国への展開がない USPTO 専用の出願に限られます。
  2. 方向。 図面が横長を必要としない限り、縦(Portrait)にします。横長(Landscape)の図面の場合、図面の上部を用紙の左端に向けます。
  3. 余白。 PCT仕様:上 2.5 cm、左 2.5 cm、右 1.5 cm、下 1.0 cm。CNIPA:下 1.5 cm。JPO:全周囲 2.0 cm。
  4. 枚数番号。 上部中央に n/N の形式(例:3/12)で記載します。PCT Rule 11.7(b) に基づき、複数枚の図面では必須です。

詳細な各庁別の内訳については、特許図面の余白ルールに関する専用ガイドを参照してください。

形式のチェック(3分)

  1. ファイル形式。 ベクター PDF が推奨されます。ラスター線画の場合は、600 DPI の TIFF Group 4 が許容されます。
  2. DPI。 ラスターの場合、最小 300、推奨 600 です。ベクター PDF には DPI はありません。単一の画像にフラット化されていないか確認してください。
  3. カラーモード。 線画は Bilevel(1ビット)、陰影のある図面はグレースケール 8-bit です。カラー図面の申請(petition)を行わない限り、カラーは使用できません。
  4. 埋め込みフォント。 参照符号をアウトラインに変換し、フォントへの依存をなくします。

USPTO のスキャンに耐えうる書き出しプリセットについては、特許図面のDPI要件を参照してください。

構造のチェック(図面セットごとに10〜15分)

  1. 参照符号の一貫性。 図面に表示されているすべての符号が明細書に記載されており、その逆も同様であることを確認します。重複や欠落があってはいけません。
  2. 符号の高さ。 USPTO は最小 0.32 cm (1/8 inch) を要求しています。EPO および PCT も同じ基準を採用しています。
  3. 図面ラベル。 "FIG. 1", "FIG. 2A", "FIG. 2B"、または現地の言語に対応するものを使用します。図面の下に配置し、描画範囲(sight)の中には入れません。
  4. 不要な事項。 企業のロゴ、ウォーターマーク、装飾枠、参照符号ではない部品番号ラベルなどは記載しません。

各特許庁による欠陥の執行の厳格さ

公開されている審査ガイドラインと、各事務所で観察される形式面の挙動に基づいています。これは統計的な調査ではなく定性的なマップです。証拠としてではなく、リソース配分の計画に役立ててください。

欠陥USPTOEPOPCT/IBCNIPAJPOKIPO
余白違反厳格厳格中程度中程度寛容厳格
線幅不足中程度厳格厳格中程度寛容寛容
参照符号の不一致厳格厳格中程度厳格中程度中程度
カラー(申請なし)厳格厳格厳格中程度中程度中程度
不要な事項 (ロゴ等)中程度厳格中程度中程度寛容寛容
枚数番号の欠落寛容中程度厳格中程度寛容中程度
300 DPI 未満 (ラスター)中程度中程度中程度寛容中程度厳格
図面ラベルの間違い寛容寛容寛容中程度中程度寛容
破線の誤用 (意匠)厳格中程度n/a厳格厳格厳格

いくつかのポイント:

  • KIPO はアップロード時に検証します。 ポータルサイトで、ファイルが審査官に届く前に余白や DPI の違反をブロックします。綺麗な図面セットは静かに通過しますが、不備があるものは数秒で拒絶されます。このため、実務上 KIPO が最も厳格であり、かつクリーンに通過させるのが最も容易です。
  • PCT/IB は枚数番号と均一な線幅を最も重視します。 IB の仕事はクリーンな PCT 公報を公開することであり、公開に必要なのは枚数番号と線幅だからです。
  • JPO は最も寛容です。 JPO の図面確認はポータルで大部分が自動化されており、ほとんどの欠陥は正式な Office Action ではなく、事務的な補正命令として出されます。ただし、JPO の意匠出願における破線の規律については厳格です。

低コストな失敗と高コストな失敗

いくつかの欠陥は機械的であり、修正に数分しかかかりません。一方で、構造的な欠陥は修正に数日かかる場合があります。

欠陥修正コスト典型的な原因
余白の2-5mmはみ出し数分PowerPoint や Word での自動フィット
線幅が細すぎる数分ラスター変換時のアンチエイリアスによる劣化
枚数番号の欠落数分作図ツールの設定漏れ、手動の確認ミス
符号の高さが 0.32 cm 未満数分ベクターマスターでのフォントサイズ設定ミス
明細書に符号の記載がない数時間古い符号リストを元に明細書をドラフトした
明細書にのみ符号がある数時間明細書で説明している特徴を図示していない
図面ラベルの間違い (FIG. 2 → 2A)数時間明細書作成後に図面構成を変更した
破線の誤用 (意匠)数日ドラフト時のクレーム範囲決定の間違い
描画範囲内に不要な事項がある数日ブランドロゴ入りのテンプレートで作成した
用紙サイズの間違い数日書き出し時に Letter サイズを A4 にスケーリングした

まずは「低コストな失敗」のチェックを実行してすべて修正し、その後に構造的なチェックに移りましょう。余白や線幅のチェックをパスしない図面が、構造的なチェックをパスすることは稀です。安価なものを修正することで、構造的な問題が見えてくることもよくあります。

参照符号の規律

参照符号の不備は、調査サンプルの中で最も一般的な Office Action の原因です。主な不備のモードは以下の通りです:

  • 符号の重複。 同じ番号が2つの異なる構成要素に使用されている(例:10番がハウジングとボタンの両方に使われている)。
  • 図面間でのズレ。 FIG. 1 では 14番がキャップだが、FIG. 3 ではカートリッジになっている。
  • 明細書での欠落。 図面には番号があるが、明細書の説明に対応する記載がない。
  • 明細書の幽霊。 明細書には「ラッチ 22」とあるが、どの図面にも 22番が存在しない。
  • 範囲外の高さ。 印刷した際に 0.32 cm 未満の番号。
  • 引出線の交差。 同じ図面内で、異なる符号からの引出線が互いに交差している。

大規模なプロジェクトでの対策:図面セット全体で単一の参照符号テーブルを維持し、必要に応じてそのテーブルから図面ラベルを再生成し、出願前に明細書を同じテーブルと照らし合わせてチェックします。図面間の一貫性は自動化できますが、テーブルと明細書の照合は依然として人間の作業です。

知っておくべき各庁固有の癖

  • USPTO は、A4 に加えて US Letter (8.5 × 11 in) を受け入れる唯一の主要官庁です。PCT や外国出願の可能性がある場合は、最初から A4 で作成してください。
  • USPTO のカラー図面 は、37 CFR 1.84(a)(2) に基づく申請と手数料が必要です。デフォルトは白黒です。発明を他の方法で示せない場合を除き、カラーは避けてください。
  • EPO は、装飾的な境界線、枠、ウォーターマークを Rule 46(2)(c) に基づく「不要な事項(extraneous matter)」として扱います。実務上、USPTO よりも厳格です。
  • CNIPA は、国内出願において中国語の図面指定子を要求します("FIG. 1" ではなく "图1")。英語の指定子を残したままの PCT 国内移行出願も受理されますが、指摘を受けることがあります。
  • JPO の意匠出願 は、破線の規律に関して世界で最も厳格です。意匠図面における破線には形式的な意味(権利範囲外の環境)があり、不用意に使用すると即座に Office Action の対象となります。
  • KIPO は、アップロード時に DPI、余白、カラーモードを検証します。ポータルでの検証に失敗した図面は出願すらできません。修正してから再試行してください。

いつ、どのチェックを実行するか

チェックのタイミングは3回あり、それぞれチェック内容が異なります。

タイミング実行者チェック内容
ドラフト作成中特許技術者または発明者図面の選択、分解図の方向、符号の割り当て、クレームの裏付け
明細書確定前弁理士または特許技術者明細書との符号の一貫性、図面ラベル、破線の規律
書き出し前出願担当者またはパラリーガル余白、線幅、DPI、カラーモード、枚数番号、不要な事項

これら3つのラウンドを混同することが、最も一般的なプロセスの失敗です。形式チェックを頼まれた技術者はクレームの裏付けの問題を見落としますし、形式チェックを頼まれた弁理士は符号の高さ(法律上の問題ではないため)を見落とします。ラウンドを明確に分けましょう。

Figure Checker が自動で行うこと

12ステップのリストのうち、自動化されている部分は以下の通りです:

  • 用紙サイズと方向の検出
  • 余白の適合性(PCT, USPTO, CNIPA, JPO, KIPO プリセット)
  • DPI の検証(300 / 600 の閾値)
  • カラーモード(Bilevel, Grayscale, Color)の検出
  • 線幅の均一性チェック
  • 参照符号の高さの測定
  • 不要な事項(ロゴ、枠、ウォーターマーク)の検出
  • 枚数番号の有無の確認

引き続き目視確認が必要な部分:

  • 図面内の各符号が明細書によって裏付けられているか
  • 断面図の方向が発明に対して正しいか
  • 意匠図面の破線が適切な権利範囲外のスコープを示しているか
  • 図面セット全体として、クレームが要求するストーリーを伝えているか

「出願可能か」を確認する最も安価なテスト

図面セット全体を、白黒レーザープリンターで 100% スケールで印刷してください。ページから約1メートル離れて立ちます。線が見えない、符号が読めない、引出線が交差している、図面が混み合って見える、といった箇所があれば、出願前に修正してください。

形式面に関するほとんどの Office Action は、印刷されたページをその距離で見れば明らかな欠陥について記述されています。審査官に指摘される前に、紙の上でそれらを見つけ出しましょう。

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次のステップ: 出願前に無料の図面チェッカーで余白・線の太さ・DPI・符号を対象特許庁の規則に照らして検証しましょう。特許図面要件のまとめも参考になります。

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重要な6つのカテゴリ書き出し前の12ステップ・チェック用紙のチェック(2分)形式のチェック(3分)構造のチェック(図面セットごとに10〜15分)各特許庁による欠陥の執行の厳格さ低コストな失敗と高コストな失敗参照符号の規律知っておくべき各庁固有の癖いつ、どのチェックを実行するかFigure Checker が自動で行うこと「出願可能か」を確認する最も安価なテスト

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